屋上緑化が注目される背景と設置によって得られるメリットは?


地球温暖化やヒートアイランド現象が背景にあり

地球環境問題が叫ばれるなか、建築分野において注目されているのが「屋上緑化」です。屋上緑化は、その名の通り、建物の屋上に植栽することで、デパートなどの商業施設や病院の屋上で採用されるケースも増えています。もちろん、一般の家屋でもおこなうことができ、屋上庭園のかたちで設置する家もあります。

屋上緑化が注目されている理由は、地球温暖化やヒートアイランド現象が背景にあり、緑化の推進によって環境悪化を食い止め、快適な生活空間の維持をしつつ、経済的効果も期待されているためです。

屋上緑化のメリットは

屋上緑化は、温暖化による弊害を緩和するだけでなく、他にもいくつかのメリットがあります。まずは「建築物を保護する」効果で、通常、建物は急激な温度変化によって劣化しやすく、紫外線のダメージを受けやすいのですが、緑化によって建物を保護し、耐久性を高めることが期待できます。

次に、「流出する雨水を緩和する」効果がメリットとして挙げられます。水害が起きた時にコンクリートが多い都市部では水が溜まりやすく、それが被害を大きくする要因です。庭園があることで雨水を吸収し、流水を緩和できるため、都市型災害の被害をやわらげると言われているのです。

さらに「耐熱防火」効果も期待でき、耐熱性に優れた生の植栽があることで、火災が起きた時に防火扉に似た機能を果たしてくれます。そして、緑があることでやすらぎの空間が演出でき、人々の癒し空間としての機能も持っています。

屋上緑化では防根シートをしっかりと準備することが非常に重要となります。理由としては、植物の根は狭い隙間でも侵入して太ることが可能であるため、防根シートが不十分な状態だと根が天井を傷付けるためです。